先日、NHKのクローズアップ現代では、テーマは「食事」でした。
寝たきりの老人が、それまでは流動食ばかり食べていたのに、
普通の食事を噛んで食べるようになったら、元気が出て、
それまではほとんど発話がなかったのに、たくさん話すようになったということでした。
物を噛んで食べることは人間としての基本的動作です。
眠ること、排泄することなども基本的な行動ですが、
これらはたぶん、人の助けを得ながらでもできるのでしょうが、
自分の歯で噛んで食べるということは、時になおざりにされて
いるのでしょう。
それをおろそかにしていると、すべてがおろそかにになってくる。
老人が体を動かせないのは、動かそうという気がない、
という場合が多いようです。
今さらもう、体を動かして自分でやろうと思っても、
意味が見いだせないのかもしれません。それよりも、
じっとしていたら、だれかが動かしてやってくれるだろう。
そんなアキラメが、老人にはあるような気がします。
英語で言えばモチベーションの低下ともいえるでしょう。
声帯には異常がないのに、心理的な原因で声が出ない、
という人も聞いたことがあります。出ないのではなく、
出さないのですが、本人には、そういう自覚はないのです。
本人にとっては「出ない」。老人も自覚なしに、
あきらめていることが多いのかもしれません。
以前、これもテレビ番組でしたが、高齢者でも
トレーニングすれば筋肉が増えるという話を聞きました。
人間の能力には驚かされます。
親鸞会で話を聞いている知人から聞いたことですが、
人間の行いには3つあり、心と体と口だそうですが、
体や口を動かすのは心だから、心を一番重んじるのが
仏教だと言っていました。まさにその通りで、
心が念ずるからいろんな行動が起きる。
介護や医学にも、もっともっと心を重んじる処置が増えると
高齢者や患者さんのクオリティーオブライフが高まる、
のではないかと思います。